工事の豆知識

宅地造成の費用は?価格を抑えるポイントや注意点まで解説!

工事の豆知識2019/05/14

宅地以外の土地を宅地として活用できるよう、土地の形や質を造りかえる工事を「宅地造成」と言います。

宅地造成にはいくらくらいかかるのか、なかなか情報が得られず困っている方も多いのではないでしょうか?

この記事では、宅地造成の基礎知識と併せて全国の費用一覧、費用を抑えるためのポイントや注意点などをまとめて紹介しています。

ぜひ参考にしてください!

【こちらの施工事例もご覧ください】

宅地造成とは?まずは基礎知識と費用の目安をご紹介!

宅地造成とは?

宅地造成とは、宅地ではない土地、例えば農地や山林などを宅地として機能できるように土地の形状や質を改良する工事のことを言います。

傾斜がある場所を、切り土(※1)をして傾斜をなくし、盛り土(※2)をして形を整えたり、擁壁(※3)や排水設備などを設置する工事、さらに地盤を改良したりする工事などはすべて「宅地造成」に含まれます。

加えて、一般的に使われている「宅地造成」という言葉には、平らな土地を整える整地工事、擁壁の設置工事、残土の処分や木の伐採・抜根といった工事も含まれています。これらすべてを指して「宅地造成」と言います。

「宅地以外の土地を、宅地として機能できる土地にするためにおこなう工事全般」と覚えておくと良いでしょう。

※1・2…斜面を切り崩して平らにする工事を「切り土」、斜面に土を盛って平らにする工事を「盛り土」と言います。

※3…擁壁(ようへき)とは、崖崩れなどを防ぐために「土止め」として設置される、コンクリートやブロック、石などを用いて造られる壁のような構造物を指します。高さ2mを超える擁壁は、法律で確認申請を義務付けられています。

住宅を購入する際、擁壁があった場合は必ず「検査済証」を確認させてもらいましょう。

検査が済んでいない場合、無許可で設置されたもの、あるいは法律で定められる以前の古いものである可能性があります。

そうした擁壁は災害時に倒壊などの恐れがあるため注意が必要です。

宅地造成工事の一般的な流れ

宅地造成は、土地を重機で掘削したり残土処分したりする工事です。

そのため「大ざっぱ」なイメージがあるかもしれませんが、実は緻密に計算された工事で、それこそ高い造成技術と知識、さらにミリ単位の繊細さが求められる、非常に高度な工事の一つです。

一般的な宅地造成は、次のような流れで行われます。

掘削と残土処分

まずは重機を搬入し、掘削をして残土処分をします。このとき、ゴミ、瓦礫などの不純物もきれいに撤去することが重要になってきます。

なお、基本的に重機は運搬車で搬入となりますが、現場前の道路が狭いなどで運搬車が進入できない場合、重機が自走してくることもあります。

土の運び出し

掘削して排出された土はダンプカーなどに積み込み、適正に処分されます。土とはいえ勝手に捨てて良いものではありません。

例えば東京都なら千葉県、兵庫県なら大阪府など、受け入れられるキャパシテェがある場所まで運搬し、処分しなければなりません。

なお、受け入れる都道府県は土の質を厳しく規制しているところがほとんどです。

処分費用は、一般的に1㎥(立方メートル)あたり5000円〜7000円程度が相場となりますが、万が一、その土壌が汚染されており、残土も汚染土壌だった場合、処分費用はその6倍近くの30000円〜70000円程度まで跳ね上がります。

このように、汚染土壌かどうかは、宅地造成の費用に大きく影響してきます。

赤土の搬入と締固め・整地

残土の処分が済んだら、いよいよ新しい土(赤土)を搬入します。

ここでは一気に赤土を搬入するのではなく「赤土の搬入」→「整地(キャタピラなどによる締固め)」→「赤土の搬入」→「整地」といった作業を繰り返しながら、予定の高さまで重ねていきます。

法面施工・整地をして完了

盛り土が終わったら、法面(のりめんorのりづら=傾斜部分)をきちんと整地して固めます。

そうしないとせっかくの赤土が崩れてしまう恐れがあるためです。

基本的にはここまでで一連の作業が完了しますが、例えば砕石を敷いて均して締固めをしたり、コンクリートを打設してL字型の擁壁を設置したりするケースもあります。

宅地造成の費用

例えば田んぼを宅地造成した場合、どれくらいの費用がかかるのか、例を挙げてみます。

なお、農地を宅地として転用する場合、まずは「許可」が必要になりますので、申請書に必要事項を記入し、その他用意しなければならない書類などを揃えて「農業委員会」経由で管轄の「都道府県知事等」に提出することになります。

これを「農地転用(の手続き)」と言います。

地域や面積などさまざまな条件で費用が変わってきますが、例えば東京都で、1反(たん)ほどの一般的な「田んぼ」を転用して宅地にする場合、次のような費用が考えられます。

  • 整地費用…700円/㎡
  • 伐採・抜根費用…900円/㎡
  • 地盤改良費用…1700円/㎡
  • 土盛費用…6200円/㎥
  • 土止費用…64900円/㎡

土盛費用のみ、体積1立方メートルあたりの費用となります。

それ以外はすべて1平方メートルの費用になりますので「1反=約992平方メートル」として計算すれば「単純に宅地造成にかかる費用の目安」が算出できます。

ただし、田んぼの場合もっと詳しく工事内容をお伝えすると「田んぼの下の固い地盤を掘る作業」「コンクリート打設」「L字擁壁の設置」など付帯工事が増えるケースが多いです。

さらに、そこに重機や残土処分などをはじめとする諸費用・諸経費が加算されたり、またそれ以外に付帯する工事があったりすれば、その費用も加算されます。

なお、上記の整地費用、伐採・抜根費用・地盤改良費用・土盛費用・土止費用などは、次の章で全国一覧表を掲載していますので、知りたい方はぜひチェックしてみてください。

【こちらの施工事例もご覧ください】

  1. 共同霊園 メモリアルパーク光輪(こうりん)墓地の造成工事
  2. 宅地造成工事(道路・駐車場・宅地) 上越市
  3. 駐車場造成工事 新潟県 上越市

一目でわかる!全国の宅地造成費用一覧

こちらは、国税庁が公開している「平成30年分の財産評価基準」に基づく宅地造成費用の全国一覧表です。

一部を抜粋して掲載しています。

※整地費…整地を必要とする面積1平方メートルあたり
※伐採・抜根費…伐採・抜根を必要とする面積1平方メートルあたり
※地盤改良…地盤改良を必要とする面積1平方メートルあたり
※土盛り費…土砂を搬入して土盛りが必要を必要とする場合の土盛り体積1立方メートルあたり
※土止め費…土止めを必要とする場合の擁壁の面積1平方メートルあたり
※傾斜度…例として3〜5°は3度超5度以下の1平方メートルあたり

上記を基準とした費用を掲載しています。

 

平坦地の宅地造成費用(㎡)

傾斜地の宅地造成費用(一部抜粋)

都道府県

整地

伐採・

抜根

地盤

改良

土盛

土止

3〜5°

5〜10°

10 〜15°

北海道

600円

900円

2000円

5800円

66000円

17300円

21600円

33200円

青森

700円

1000円

1800円

6700円

65200円

18300円

22200円

33700円

岩手

700円

1000円

1800円

6700円

65200円

18300円

22200円

33700円

宮城

700円

1000円

1800円

6700円

65200円

18300円

22200円

33700円

秋田

700円

1000円

1800円

6700円

65200円

18300円

22200円

33700円

山形

700円

1000円

1800円

6700円

65200円

18300円

22200円

33700円

福島

700円

1000円

1800円

6700円

65200円

18300円

22200円

33700円

茨城

700円

900円

1700円

6300円

64300円

17000円

21000円

31800円

栃木

700円

900円

1700円

6300円

64300円

17000円

21000円

31800円

群馬

700円

900円

1700円

6300円

64300円

17000円

21000円

31800円

埼玉

700円

900円

1700円

6300円

64300円

17000円

21000円

31800円

千葉

700円

900円

1700円

6200円

64900円

17200円

21200円

32100円

東京

700円

900円

1700円

6200円

64900円

17200円

21200円

32100円

神奈川

700円

900円

1700円

6200円

64900円

17200円

21200円

32100円

新潟

700円

900円

1700円

6300円

64300円

17000円

21000円

31800円

富山

600円

900円

1800円

6100円

64900円

17400円

21300円

32300円

石川

600円

900円

1800円

6100円

64900円

17400円

21300円

32300円

福井

600円

900円

1800円

6100円

64900円

17400円

21300円

32300円

山梨

700円

900円

1700円

6200円

64900円

17200円

21200円

32100円

長野

700円

900円

1700円

6300円

64300円

17000円

21000円

31800円

岐阜

600円

900円

1700円

6300円

66900円

17100円

21000円

31700円

静岡

600円

900円

1700円

6300円

66900円

17100円

21000円

31700円

愛知

600円

900円

1700円

6300円

66900円

17100円

21000円

31700円

三重

600円

900円

1700円

6300円

66900円

17100円

21000円

31700円

滋賀

600円

900円

1700円

6000円

64900円

17100円

20400円

31500円

京都

600円

900円

1700円

6000円

64900円

17100円

20400円

31500円

大阪

600円

900円

1700円

6000円

64900円

17100円

20400円

31500円

兵庫

600円

900円

1700円

6000円

64900円

17100円

20400円

31500円

奈良

600円

900円

1700円

6000円

64900円

17100円

20400円

31500円

和歌山

600円

900円

1700円

6000円

64900円

17100円

20400円

31500円

鳥取

600円

900円

1700円

5900円

59000円

16400円

19700円

30400円

島根

600円

900円

1700円

5900円

59000円

16400円

19700円

30400円

岡山

600円

900円

1700円

5900円

59000円

16400円

19700円

30400円

広島

600円

900円

1700円

5900円

59000円

16400円

19700円

30400円

山口

600円

900円

1700円

5900円

59000円

16400円

19700円

30400円

徳島

600円

900円

1800円

6000円

68000円

17000円

20900円

32100円

香川

600円

900円

1800円

6000円

68000円

17000円

20900円

32100円

愛媛

600円

900円

1800円

6000円

68000円

17000円

20900円

32100円

高知

600円

900円

1800円

6000円

68000円

17000円

20900円

32100円

福岡

600円

900円

1700円

6000円

50600円

15000円

18000円

28900円

佐賀

600円

900円

1700円

6000円

50600円

15000円

18000円

28900円

長崎

600円

900円

1700円

6000円

50600円

15000円

18000円

28900円

熊本

600円

900円

1700円

5900円

48600円

15400円

18000円

29500円

大分

600円

900円

1700円

5900円

48600円

15400円

18000円

29500円

宮崎

600円

900円

1700円

5900円

48600円

15400円

18000円

29500円

鹿児島

600円

900円

1700円

5900円

48600円

15400円

18000円

29500円

沖縄

600円

900円

2300円

6400円

52100円

16300円

19400円

28500円

最新情報については、必ず国税庁のホームページにてご確認いただくようお願いいたします。

国税庁「路線価図・評価倍率表」

宅地造成の費用を抑えるためのポイントと注意点

宅地造成は一生のうちに何度も経験するものではなく、また専門的な工事になるため一般の方が依頼する場合、どうしても住宅施工業者(工務店、ハウスメーカー等)に言われるがまま、になってしまうことがあります(新しく家を建てるケースでのお話しです)。

確かに、住宅施工業者が出す見積もりには「宅地造成費用」が含まれているかもしれません。

しかし、実際に宅地造成するのは住宅施工業者ではなく造成業者であるかもしれない、ということを覚えておきましょう。

その場合、住宅施工業者は造成業者と施主を「仲介」している形になりますので、中間マージンが上乗せされていると考えられます。

造成業者に直接依頼すれば、本来は払う必要のない費用というわけです。

住宅施工業者が造成工事を施工するのか、専門業者に委託するのかは、事前に確認しておきましょう。

後者であれば、自分で造成業者を探した方が費用を抑えることにつながります。

また、宅地造成を請け負ってくれる造成業者を探す際の注意点として「都道府県知事等の許可」を得ているかどうかを確認しておくという点が挙げられます。

都道府県知事等の「等」には、次の者が含まれています。

  • 都道府県知事
  • 政令市・中核市・特例市においては、それぞれの長
  • 地方自治法に基づいて都道府県知事から許可等の権限を移譲された市町村(事務処理市町村)の長

上記いずれかの許可が必要になるため、正式に依頼する前に確認しておきましょう。

併せて確認しておきたいのが「マニフェスト」を発行してもらえるか、また写しをもらえるか、という点です。

マニフェストとは「産業廃棄物管理票」のことです。

宅地造成工事でいえば、工事の過程で排出した残土などを「いつ、だれ(どの業者)が、どこに運搬して、どこで処分されたのか」といった一連の流れが記載されているもので、産業廃棄物を排出する業者が発行することになっています。

これまで、工事現場で発生した産業廃棄物は、いったんその現場を離れてしまうと誰がどこで管理したり処分したりしているのかが分かりにくく、不法投棄の元にもなっていました。そこでマニフェストを発行して、それに基づいて適正に処分することと決められたのです。

産業廃棄物の不法投棄は大きな社会問題になっていますが、実際にそれを行った業者のみならず、施主も罰則の対象となってしまう恐れがあるため、産業廃棄物の行方については施主もしっかり把握しておくことが大切です。

「マニフェストを発行してくれるか」
「マニフェストの写しをもらえるか」

この2点は、確認しておくことをおすすめします(マニフェストを発行できない・ウチでは発行していないなどという業者はできるだけ避けましょう)。

なお、自社で産業廃棄物を収集運搬したり、処理したりする許可を得ている業者や処理施設を保有している業者もいます。

宅地造成もできて、かつそうした許可や施設を有している業者であれば、他の専門業者に委託する費用も浮かせることができます。

宅地造成費用のまとめ

今回は、少し難しいですが宅地造成の基礎知識と費用の全国一覧、宅地造成費用を抑えるポイントや注意点などを解説してきました。

宅地造成工事には、今回ご紹介した費用以外にもさまざまな費用が加わります。決して安いと言えない工事費用が必要になりますので、2社程度から見積もりを取り寄せ、見比べて慎重に検討しましょう。

見積もりに関して、少しでも不明な点や疑問に思う点があれば、遠慮なく確認しましょう。

よく理解できていないまま、また曖昧なまま工事を依頼してしまうと、トラブルの元になりかねませんので、十分注意しましょう。

【こちらの施工事例もご覧ください】

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